多くのの方が知らないのでは、起立性調節障害への理解
朝、起きられないぃ?・・・
本当かぁ?怠けてんじゃないのぉ!!
それ、ズルだろう、絶対ズルだよ!!
本人の気持ちも知らないで、本当に困っているんだから・・・・!。
どうして誰も分かってくれないんだろう。
実は、朝起きられない、立ち眩みがしたりするのはもしかしたら起立性調節障害(OD)かも知れません。
この病気は思春期に発症しやすいと云われ、学校に行けなくなるお子様も少なくないそうです。
しかし、ここ10数年で病名は知られるようになったと云うのですが、学校現場や家庭での対応や理解が中々進んでいないのが問題となっているのです。
いったいどのような対応をしたら良いのか、また治療法は有るのかなどを考えてみましょう。
この病気には、朝、頭全体が締め付けられるような痛みがして起きられない、ふらついて制服のボタンが留められないなどの不調が見られます。
しかし、実はこの病気にはもう一つの辛さが有るとか・・・それは、外見からどこが悪いのかが分からない所だと言う事ですから、SOSを出しにくいのです。
起立性調節障害(OD)は珍しい病気ではない
ODは特段珍しい病気ではなく、日本小児心身医学会によりますと、軽症も含めると小学生の約5%、中学生の10%が発症しているそうです。
学会では病気への理解を広めようと、2005年に診断と治療のガイドラインを作成しており、また最近では本やテレビ、新聞などで取り上げられる機会が増え、病名は少しずつ知られるようになったと言う事です。
専門医(OD低血圧クリニック田中・田中英高院長(大阪市)の話によりますと、この10年で当事者の遅刻や保健室登校を認める学校はずいぶん増えているそうです。
そして「怠け」と誤解されることも減る傾向に、しかし、病気と知っていてもその子にどんな配慮が必要なのか迄掘り下げている学校は少ないと言う事です。
起立時にめまいや動機、失神などが起きる自律神経の病気(他にも食欲不振や顔面蒼白、倦怠感などの症状も)であって、小学校高学年から中学校の思春期の子供に多く、中等症や重症の場合、朝なかなか起きられない事から不登校につながる事もあるようです。
実際に不登校の子供の3分の2が起立性調節障害(OD)に悩まされていると言われているのです。
原因は、治療と予防は?
自律神経機能の低下によって循環器系の調節が上手くいかないことが原因と云われていますが、おかしいと思いましたら医師に診てもらう事が大切です。
通常人は、立ち上がる時に自律神経の一種である交感神経が働き、重力によって血液が溜まってしまう下半身の血管を収縮させ、心臓へ戻る血液量を増やし、血圧を維持しています。
しかし、この交感神経の働きがないと、心臓へ戻る血液量が減少し、血圧が低下・脳血流が低下して、めまいや動機、失神などの症状が引き起こされるのだそうです。
なお、自律神経の機能が低下する要因としては、体の発育による自律神経の乱れや水分の摂取不足、運動不足、精神的ストレスなども挙げられており、他にも起立性調節障害(OD)に悩む方の約半数に遺伝的傾向がある事も分かっているそうです。
治療には学校や保護者などの周囲のサポートが不可欠と云われ、お薬などでは効果が望めないと云う事で、まずは日常生活の改善から行う必要があります。
例
◎ 立ち上がる時には頭を下げてゆっくりと起立したり、出来るだけ長時間の起立を避ける。
◎ 毎日30分程度のウォーキングを行うなどして筋力低下を防いだりすることも有効。
◎ 1日当たり2リットル前後の水分と塩分(10グラム)を取る事で、体の中で循環している血液量を増やす。
◎ 早目の就寝を心掛ける
◎ 保護者や学校など周囲の連携でサポートし、無理のない範囲での登校等を行いましょう。
精神的なストレスが影響している場合は、ストレスの軽減・コントロールをしていく事も大切だそうです。
軽症の場合、適切な治療を行えば早ければ2カ月程度で改善が見込まれるそうですから、保護者や学校など周囲の人が連携し、お子様の日常生活をしっかりとサポートしてあげましょう。
コメントを残す