療養費を不正請求で、組長と柔道整復師らを逮捕

指定暴力団住吉会系組長（４９）が柔道整復師らと共謀して、療養費を不正請求していた疑いが強まり、警視庁は５日に、組長と柔道整復師、東京都内の会社役員の男（３８）ら１５人前後について、詐欺容疑で逮捕状を請求したと発表し、近く逮捕するということです。

組長らは、医師にも診療報酬を不正請求をさせていたと云うことです。

不正請求の総額は、数億円に上るといい、同庁は、暴力団が診療報酬や療養費を資金源にしていたと見て、解明を進めていく方針だということです。

 
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捜査関係者によりますと、組長と会社員らは２０１０年以降、都内や千葉県内に有る７箇所の医院や歯科院、接骨院で、組員ら数百人が治療や施術を受けたと偽り、医師、整復師に架空の診療報酬や療養費を請求させる手口で、健康保険組合等から、総額数億円を騙しとった疑いが有る、ということです。

組長らは『知り合いの委員に入ってほしい』などと、配下の組員や知人を次々と勧誘し、一度通院させて健康保険証のコピーを入手していました。

そのコピーを使って医師や柔道整復師らに、その後も治療したとする虚偽の請求をさせていたと云う事です。

警視庁はこの内、杉並区の接骨院で数百万円の療養費を不正請求した容疑で、組長ら１５人前後の逮捕状を請求しました。

医院や歯科医院の診療報酬についても今後、立件する方針だということです。

杉並区の接骨院の元院長男性（２７）は、今年８月に『不正請求があったと警察から聞いたが、問題になっている療養費の請求には自分は関与していない』と、説明をしているということです。

同庁は、数年前に『暴力団の息がかかった医師や整復師が診療報酬などを不正請求している』との情報を入手し、内偵調査に着していました。

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医師らが、全国の自治体や健康保険組合等に提出した診療押収の支給申請書を精査するとともに、患者から任意で事情を聞いた結果、組員ら数百人が実際には治療や施術を受けていなかったことが判明した、と云うことです。

不正請求の『名義人』には組員の他、お笑い芸人や歌手なども含まれていましたが、同庁の任意聴取に『治療を一度受けたが、後のことは知らない』などと説明をしているとのことです。

厚生労働省によりますと、診療報酬の不正請求は０９年度以降、年々増えており、１３年度は計約１４６億円にもなり、接骨院の療養費の不正請求も後を絶たないということなのです。

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