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『インフルエンザ脳症』発症患者数が過去最多に
インフルエンザの感染に伴い、痙攣や意識障害などが起きる『インフルエンザ脳症』を発症した患者数が、今季は161人と過去5年間で最も多くなっていることが、国立感染症研究所の調べで分かりました。
乳幼児の感染は死に至ることも有り、注意を呼びかけているということです。
インフルエンザ脳症は、急な高熱の後に、突然痙攣が続いたり、意味不明の言動や意識障害を起こす症状です。
体内のウィルスへの免疫半のが激しすぎて発症するのではと見られており、症状が重い場合、運動麻痺などの後遺症が残り、寝たきりになってしまうことも有るということです。
感染研によりますと、今季は今月6日までに全国で患者161人の報告があり、昨季の101人を大きく上回っているというのです。
この内の15歳未満が全体の86%に当たる138人と、例年の60^70%を超えて高い割合を占めているのです。
インフルエンザ脳症は、新型インフルエンザが流行した2009年~10年のシーズンも319人と患者が増えたのです。
今季も、同種類のウィルスが流行の主流となっていることが、増加の一因と見られています。
厚生労働省によりますと、今月13日までの1週間に医療機関を受診したインフルエンザ患者数の推計は135万人にも上る見られており、1医療機関あたり28.20人で、全国的な流行を示す『警報レベル』の同30人を6週間ぶりに下回ったものの、3月半ばとしては異例の多さが続いているということです。
インフルエンザ脳症とは
インフルエンザ脳症は、インフルエンザの感染に伴い、急激に発症し、神経細胞など脳に障害をもたらし、時には全身の諸臓器も障害を受ける(多臓器不全)、重い疾患なのです。
インフルエンザの感染は引き金となりますが、脳の中ではウィルスは増えず、感染によって生まれたサイトカイン(免疫システムから分泌されるタンパク質)などによって脳障害や多臓器不全が起きると考えられています。
1995年頃から報告が有り、2000年頃から一般に知られるようになりました。
欧米では少なく、東アジアに多いと考えられており、日本の年間発症は100~500例で、病因別では最も多い疾患なのです。
好発年齢は1~5歳ですが、ただだし、2009年~10年に流行した新型インフルエンザでは5~10歳が中心だったと言うことです。
症状の現れ方として、インフルエンザの発熱に伴い、数時間から1日以内に(1)痙攣、(2)意味不明な言動、(3)意識障害などの神経症状が現れます。
その後次第に意識障害が進行していき、この時に痙攣が繰り返し起こるタイプも有るということです。
症状が進行すると、多くの臓器の傷害が出てきて、腎障害(血尿)、胃腸障害(ひどい下痢)、肝機能障害、凝固障害(出血傾向)などです。
人工呼吸器が必要になることも有りますが、これは重い例で、意味不明の言動や痙攣が有るだけで意識障害は軽いこともかなり有るそうです。
10年前は約30%の子供が死亡し、25%に後遺症が残りましたが、ガイドラインの普及後は死亡は10%未満(8%),後遺症は25%と改善しつつ有るということで、神経後遺症を少しでも改善するためには早期のリハビリテーションの開始が重要だと言われています。
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