高齢者は加齢とともに筋肉量が減ると言われていますが、いったいどのような状態を呼ぶのでしょうか?またそれに伴うリスクとはいったいどのようなものなのかを考えて行きたいと思います。
加齢などにより筋肉量が減り、全身の筋力が低下した状態を「サルコペニア」と呼びますが初めて聞く方も多いのではないでしょうか。
この状態では転倒や骨折のリスクが高まるだけではなく、生活習慣病など様々な病気にもつながると言われています。
最近では新型コロナウイルスの感染拡大により、外出がままならない状態の高齢者にとっては特に注意が必要なのです。
サルコペニアとは
サルコペニアはギリシャ語で「筋肉」を意味する言葉「サルコ」と喪失を表す「ぺニア」を組み合わせた造語と云う事ですが、医療や介護に頼らずに日常生活を送れる健康寿命を考える上で注目されています。
筋肉は古いもが壊れる分解と新しいものが作られる合成が繰り返し行われていますが、しかし、運動や栄養が不足すると、分解が合成を上回り筋肉量が減少してしまうのです。
我々の筋肉量は30歳頃をピークとして、毎年1~2%程度減少していると言われています。
サルコペニアには加齢によるものを原因とする一次性、加齢外による二次性があり、二次性の原因には寝たきりや運動をしない生活習慣、心臓や肺などの重い病気、栄養不足などが上げられます。
筋肉量が減るとどうなるのでしょう?筋肉量が減ると体のバランスを保つ力が衰えて転倒しやすくなったり、それ等に伴う骨折の危険性が高まります。
また、糖の代謝を調整する機能にも影響し、血液中の糖が増え糖尿病のリスクも高まるそうです。
さらに、喉の筋肉がやせ細り食べ物を飲み込む嚥下機能が低下することも有るそうですが、思い当たる方も多いのではないでしょうか。
食事が上手く出来ないと栄養状態の悪化で免疫が低下し、感染症にもかかりやすくなります。
要介護になる一歩手前の状態「フレイル(虚弱)」、この言葉は最近よく聞きますが、この一因になると見られており普段からの注意が必要だと云う事が分かりますよね。
予防はどうするの
予防には適切な食事と運動で筋肉量を増やすことが重要で、特に筋肉を作るたんぱく質をしっかりと取りましょう。
肉や魚、牛乳などの動物性たんぱく質と豆類などの植物性たんぱく質のバランスも大切だそうです。
瀬戸内寂聴(99歳)さんがTVで今でも牛肉をたくさん食べると述べていましたが、法話も積極にされていますし、(以前よりは減ったそうです)執筆活動も続けられているのはこの食事が関係してるかもしれません。
ビタミンDを一緒に摂取すると筋肉量がより効率的に増えると云う事で、ビタミンDを多く含む魚やキノコ類などを加えるとより効率的に筋肉量を作る事ができるでしょう。
筋肉量をを増やすには、運動の際に十分な栄養を取ることが大事です。
スクワットや座った状態から立つことを繰り返す運動、ダンベル体操などの筋トレを週2回程度行うと効果が上がりますのでチャレンジしてください。
コロナ禍で自宅に閉じこもり運動の機会が減っても、家の中で可能な範囲で体を動かして体力増強、筋肉量を増やしてみてはいかがでしょうか。
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