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柔道整復師養成学校の講師、生徒に施術させる
接骨院で、柔道整復師の資格を持たない学生による無資格施術が横行していることが分かりました。
東京荒川区の接骨院では、無資格の学生が施術した上、不正に健康保険から支出される療養費を不正に請求していた疑いが浮上し、区が調査に着手したということで、警視庁も情報収集に乗り出したというのです。
柔道整復師養成学校の乱立で「質の低下』を指摘する声もあり、専門家は「抜本的な改革が必要」と話しています。
『荒川区内の接骨院で無資格施術と不正請求が行われたという申し出が有った』と、区の担当者はそう話し、申し出たのは柔道整復師養成学校の卒業生で、学生時代に実際、接骨院で施術を行っていたと云うのです。
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区によりますと、接骨院を経営するのは区内の柔道整復師養成学校で非常勤講師を務める男性で、少なくとも平成24年以降、自らの接骨院で学生に無資格施術をさせていたと云うことです。
昨秋に学生を名乗る従業員から施術を受けた男性患者方に、同院で健康保険が適用された記録も届いており、『接骨院側が無資格者の施術と偽り、保険請求をしたとみられる」と、区の関係者は話しています。
区は警視庁荒川署に情報を提供しており、荒川署も不正請求の可能性があると見て情報収集に乗り出しました。
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柔道整復師法では、無資格で生業として柔道整復の施術を行うことを禁止していますが、複数の接骨院経営者は「無資格施術と不正請求は横行している」と、異口同音に話しています。
『接骨院、助手募集』
柔道整復師の学校には、こんな求人広告がいたるところに貼られているとの事で、名目は『助手』ですが都内の接骨院経営者は『実際には柔道整復師の施術を任せられることが多い』と云うことです。
経営者にとっては安い人件費で雇える一方、学生側は実習が出来、経験を積めるわけで『いわば双方にメリットがあり、発覚しづらい』と云うのです。
学生でも仕事がこなせるのには訳があり、『骨折などの施術ではなく、体を揉むだけのマッサージをしているためだ』と指摘するのは、明治国際医療大学の長尾敦彦教授(柔道整復学)です。
マッサージは、基本的に健康保険の請求が認められていません、『ところがマッサージでも柔道整復の施術と偽り、堂々と請求されている』と長尾教授は憤っています。
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一連の不正を下支えしているのが、患者に代わって接骨院が健康保険組合に療養費が請求できる『受領委任』制度です。
患者側は煩雑な保険請求を行わないで済むメリットが有るのですが、水増し請求や架空請求がしやすいとされています。
相次ぐ不正を受け、厚生労働省は年度内にも省令を改正し、柔道整復師の養成課程と療養費の請求のあり方を見直す方針で、学生には倫理教養を義務付けた上で臨床実習も強化し、不正請求の監査体制も強化するということです。
改革の狙いは『質の確保』であり、10年度に全国14校だった柔道整復師学校は規制緩和で27年度に109校にまで急増し、柔道整復師の就業者数も約6万4千人と10年前の1.9倍になっているのです。
柔道整復師は、昔から『ほねつぎ』、『接骨院』として広く知られ、高校卒業後、厚生労働省の許可した専門学校の養成施設か、四年生の大学で履修し、国家試験を受け合格すると厚生労働大臣免許の柔道整復師となります。
資格習得後、臨床研修を行い、『接骨院』や『整骨院』という施術所を開業できます。
整体師やカイロプラクティック師は、民間資格となります。
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