働き盛りの男性、海外から帰国後に発症し職場で集団感染に
強い感染力があり、国内でも集団感染が５～８年ごとに報告される『風疹』ですが、患者の７割が成人男性だとか、近年では職場で広がるケースも見られるという事です。
感染しても殆どの人は軽い症状とのことですが、妊娠初期の女性が感染すると子供に難聴などの障害が出る恐れが有るというのです。
今月は『風疹ゼロ月間』のスローガンが掲げられており、産婦人科医らが、『特に海外出張の多い企業・組織は海外に出かける前に、社員にワクチン接種を受けさせてほしい』と呼びかけています。
風疹の原因は？、赤ちゃんへの影響は？
風疹の原因出る風疹ウイルスは、感染者の関や会話した時に飛び散る微小の飛沫（ひまつ）・（つば）に含まれています。
このウイルスを吸い込むと２～３週間の潜伏期間を経て、高熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状が出るのです。
風疹の流行で問題になるのは、免疫を十分に持たない妊娠初期の女性が感染すると、生まれてくる赤ちゃんに白内障や難聴・心疾患など『先天性風疹疾患症候群（ＣＲＳ）』という障害が出る可能性が有るためなのです。
国立感染症研究所感染症情報センターによりますと、日本で風疹が大流行した平成２４～２５年にかけて、ＣＲＳの赤ちゃんが４５人確認されているそうです。
赤ちゃんがCRSになるのを防ごうと、厚生労働省などは『風疹ゼロプロジェクト』を立ち上げ、２月を『風疹ゼロ月間』と定め、予防のための啓発活動を行っているのです。
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海外では今でも、対策としてはワクチンが有効
インドや中国、インドネシアなど海外では依然として風疹が流行している地域が有るとか、また、大規模な国際交流イベントの開催時期に大流行する傾向が有るなど、２年後の東京オリンピック・パラリンピック開催時の流行が懸念されているのです。
感染を防ぐにはワクチンが有効なのですが、ただ、予防接種で風疹のワクチンが男女ともに定期接種となったのは昭和５４年４月２日生まれからで、また６２年１０月１日生まれまでは、中学生の時に医療機関で個別摂取する方法だったため、それ以降の乳幼児での接種に比べて接種率が低いそうです。
こうしたことから、９５％以上が望ましい抗体保有率が３０代後半～５０代男性では７５～８０％に留まっているのです。
海外渡航前にワクチン接種を
日本産婦人科医回常務理事で横浜医療センターの平原史樹院長は、『３０～５０歳代の働き盛りで海外渡航の機会も多い。帰国後、感染に気づかずに出社することが職場の集団感染の原因にもなっている』・・・・と指摘しています。
女性は男性より早く風疹ワクチンが定期接種となったそうですが、平成２年４月２日より前に生まれた人は１回のみの接種のため、抗体が十分ついていない可能性があり、風疹が流行すると感染する恐れが有るそうです。
平原院長は『特に海外出張する男性で抗体が低い人はワクチン接種してから出かけてほしい。
また海外から帰国後、風邪のような症状がある場合は、まず医療機関で診療を受け、風疹でないことを確認してから出勤すること』と注意を促しています。
妊娠を希望する女性のために、多くの自治体では抗体検査やワクチン接種を無料で行っているそうです。
東京都目黒区や川崎市などは、女性だけではなく男性の接種費用を補助しているとか、抗体検査・ワクチン接種とも自治体によって実施状況が異なるため、保健所へ問い合わせてみるほうが良いそうです。
ワクチン接種の補助がない場合は自己負担となりますが、麻しんと混合の『MRワクチン』は５千円～１万円程度とのことです。
麻しんの予防接種をしたことがある人が受けても、副反応や過剰反応は問題はなく、麻しんと風疹両方の予防になるそうです。
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