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iPS心筋細胞を高純度で選出、心不全に応用計画
慶応大の研究チームは、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った心筋細胞を、短期間で純度99%で選び出す新技術を開発したと発表しました。
iPS細胞を使う再生医療の安全性を高める手法で、米科学誌電子版セル・メタポリズムに1日掲載される事になりました。
研究チームはこの技術を津を応用し、心筋細胞を心不全患者に移植する臨床研究の計画を、国認定の審査委員会に2017年に申請する予定だということです。
iPS細胞を身体お細胞に変えて移植する際には、変化しきっていないiPS細胞の除去が需要な課題となっており、iPS細胞が残ったままだと、そこから腫瘍ができる可能性が高かったのです。
福田恵一教授(循環器内科)らは、アミノ酸の一種のグルタミンがiPS細胞の生存に必要なエネルギー源であることを発見し、グルタミンともう一つのエネルギー源のブドウ糖を培養液から取り除き、iPS細胞を培養すると、全て死滅することが確認できたということです。
この培養液に、心筋細胞のエネルギー源である乳酸を投入し、iPS細胞から変化させた心筋細胞と、iPS細胞が混じった状態で培養すると、ほぼ心筋細胞だけが残ったのです。
従来、約10日程かかった心筋細胞の選出が、約5日に縮められということです。
福田教授らは、心臓の一部の細胞が死んでしまった心不全の患者にiPS細胞かる作った心筋細胞を注射器型の機材で移植し、心臓の機能を再生させる臨床研究を予定していうと云うことです。
心臓は、心筋を作っている心筋細胞が収縮して拍動することで、全身に血液を送り出すのですが、心筋細胞が病気で失われると、筋肉の収縮する力が弱くなってしまうのです。
福田恵一教授らの計画では、ヒトのiPS細胞から作った心筋細胞を作って大量に培養し、手術で心臓の心筋内に、心筋細胞が約1千個集まった直径約15マイクロメートルの塊を多数注射して移植するというものです。
福田教授らは移植前に、今回の技術で心筋細胞を選出する計画です。
福田教授は『ヒトへの応用が可能なレベルの心筋細胞を効率よく作ることが出来る技術で、非常に大きなステップだ。心臓移植以外には治療法のない重い心不全の患者を救う治療を実現したい』と話しています。
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