京大、免疫細胞を活性化させる細胞作製にに成功
人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使い、人の免疫機能を活性化させる細胞を作成したと、京都大iPS細胞研究所の金子新准教授らの研究チームが発表しました。
将来は、がん患者の免疫治療に応用が期待できるということです。
論文は10日、米科学システムセル・リポーツ電子版に掲載されました。
研究チームは、がん細胞を攻撃するキラーT細胞などを活性化させる働きを持つ『iNKT細胞』に着目したと云うのです。
健康な人の血液からこの細胞を採取してiPS細胞を作成し、5週間かけて再びiNKT細胞に変化をさせたとのことです。
こうして若返った『再生iNKT細胞』は、他の免疫細胞の活性化を助ける機能を維持していた他、通常のiNKT細胞にはない、がん細胞を直接攻撃をする能力を備えていたというのです。
見張り役の攻撃役の細胞は既にiPS細胞から作られています
『血液の癌』と呼ばれる白血病の細胞で実験した所、約6割のがん細胞を死滅させることが出来たということです。
免疫細胞の大量作成が可能になり、がん患者への有効な免疫療法や治療薬開発への応用が期待できるとのことです。
再生iNKT細胞は大量に作成することが可能で、様々な種類のガン治療に応用が期待できるそうです。
iPS細胞から免疫細胞を作成した例は、他にもキラーT細胞など数例がありますが、いずれも臨床応用には至っていないのです。
がん患者は、iNKT細胞の数や機能が低下することが知られており、研究グループは今後、生体内での安全性確認などす進めていくとのことです。
金子准教授は『安全性の確認はこれからだが、他の種類の面積細胞と組み合わせることで様々な治療に発展するのではないか、関連分野の研究者らと連携し、臨床応用を目指したい』と話しています。
白血病では、骨髄移植や臍帯血移植などの治療法が現在行われていますが、再発率が高く成功例が低いと言われているのです。
今回の研究成果は、がん細胞を攻撃するキラー細胞と免疫力を活性化させる細胞が一体化しているという画期的なものなのです。
これからの臨床応用に期待が寄せられます。
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