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ジカ熱ブラジルを中心として、南米で感染が急増
蚊を媒介して、妊婦が感染すると胎児に深刻な先天異常を引き起こす恐れが指摘されているジカウィルスについて、世界保健機関(WHO)は24日にカナダとチリ以外の南北アメリカ大陸全域に広がる見通しだとする声明を発表しました。
ジカウィルスは、感染しても大半の人はインフルエンザのような症状を短期間にわたり経験するのみで終わるそうです。
然し、妊婦が感染すると、胎児に頭部が異常に小さくなる小頭症という病気をもたらす可能性が指摘されていますが、其の因果関係はまだ立証されていないということです。
WHOの声明によりますと、このウィルスは、米大陸の55ヶ国・地域のうち21ヶ国で、すでに存在しているというのです。
またジカウィルスはデング熱やチクングンヤ熱のウィルスも媒介する蚊の一種【ネッタイシマカ】を通じて感染が広がるのですが、WHOはこの種が米大陸のうちカナダとチリを除く全域に生息していることを強調しているのです。
米大陸ではこれまでにジカ熱流行の経験がなく、昨年5月にブラジルで確認されるまでは人々は、ウィルスに対する免疫がなかったことも、ウィルスの急速な拡散の原因になったとされています。
其のためWHOは、『ジカウィルスは今後も広がり続け、両大陸の中でネッタイシマカが生息するあらゆる国と地域日有着する可能性が高い』と警鐘を鳴らしているのです。
ブラジルを中心とした中南米で感染例が急増していることを受けて、米国など一部の国の政府は妊娠中の女性に対して、同域への渡航を自粛するよう勧告を出しました。
今年の8月15日から、夏季オリンピックの開催を控えているブラジルにとっては、憂慮すべき事態となっているのです。
同国での小頭症の症例はかつて、年間160件程度でしたが、北東部での急増が指摘され始めた昨年1月以降、すでに893例が報告されていると云うことです。
コロンビア、エクアドル、エルサルバドル、ジャマイカの4カ国は、自国の女性らに対して、妊娠自体を避けるよう呼びかけています。
これについてはブラジルでも、保健当局者の中には賛意を示す者も居るということですが、国の公式見解としては女性たちに蚊に刺されないように注意喚起するにとどまっています。
WHOは、ジカウィルスがネッタイシマカによって媒介されている小手ゃ確認されていますが、その他の感染経路を示す証拠は限られているとしています。
其の一方で、血液感染する恐れも有り、人の精液からも検出されている上、『性交渉により人から人へ感染した可能性を示す事例も1例有る』と述べています。
ただし、ウィルスが正感染すると結論付けるには、より多くの証拠が必要だということです。
日本でも2年前にデング熱が東京近郊に発症したことから、春以降に、何らか移動手段によってネッタイシマカを介して日本にいるヒトスジシマカなどから感染者が出る可能性がない訳ではないのです。
全ては夏季オリンピックで、世界中の人がブラジルに集まるということ、其の中には多くの日本人が訪問するということです。
春以降の、水際での対策が必要になるかもしれません。
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