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がんを抑える化合物、九州大など新薬開発目指す

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難治性ガンに光が

 

九州大学生体防御医学研究所の福井宣規教授や東京大、理化学研究所などのチームが難治性ガンについて、ガン細胞の生存や転移に重要な役割をしているタンパク質を突き止め、この働きを阻止する化合物を見つけたと云うのです。

数年内に治療薬の開発を目指すということですが、5月2日付の米科学誌セル・リポーツ電子版に論文が掲載されました。

 

チームが研究対象としたのは、変異したがん遺伝子を持つガンで、変遺伝子は膵臓(膵臓)がんの殆どや、大腸がんの約5割などで見られるなど、ガン全体の3分の1で確認されているということです。

有効な治療薬はこれまで開発されておらず、難治性とされています。

 

『DOCK1』と云うタンパク質に注目

これまで、変異遺伝子を持つガンの増殖や転移は、細胞の形態変化を促す分子『RAC』の活性化が原因であることが分かっていました。

しかし性質上、RACをコントロールする薬の開発が難しいことから、RACを活性化させている分子を見つけ出すことが課題となっていたのです。

福井教授らは、RACに関係する多数の分子のうち、『DOCK1』というタンパク質に注目、DPCK1を発現しないよう遺伝子操作をしたところ、、ガン細胞の周辺組織への浸潤や、細胞外からの栄養液の取り込み活動が低下し、ガン細胞の生存度が落ちたというのです。

 

このことから、チームはDOCK1が、RACの活性化に大きな影響を与えている分子だと判断しました。

DOCK1の活動を抑えれば、RACの活性化を防げると考え、約20万種の化合物の中からDOCK1の活動を阻害する『TBOPP』を探し出したのです。

 

免疫副作用なし

ガン細胞を移植したマウスに投与したところ、転移や腫瘍の増大が抑えられ、免疫細胞である白血球の減少といった明白な副作用がないことも確認されたそうです。

研究チームは『変異遺伝子を持つガンの治療に役立つだろう。実証を重ね、効果的で安全な抗がん剤を作りたい』・・・・と、話しています。

 

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