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前立腺がんは切らずに放射線治療で
気温の低下とともにトイレが近くなる中高年の多いのではないでしょうか、医師に相談した際に見つかることが有るのが、日本人男性の間で急増する前立腺がんです。
尿道を包む前立腺がが癌化する病気で、2004年までは3万人程度だった年間罹患数が、2016年に発表した国立がん研究センターの予測では、9万人超となったと云うのです。
前立腺がんの罹患予測は男性ガンのトップですが、なぜ急増しているのか?JCHO東京新宿メディカルセンター放射線治療科の黒崎弘正部長は次のように解説しています。
『食生活の欧米化などと言われますが、単純に日本人の寿命が伸びたからです。
前立腺がんの8割は65歳以上の高齢者であり、ガンは細胞分裂の際の転化ミスが原因と言われ、高齢化が進むほど患者数は増えます。
検査精度が上がったことも大きい。
採血だけで済み、検査制度の高いPSA検査が、殆どの人間ドックで行われ、早期発見が可能になっています』
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PSAとは前立腺がんの上皮細胞と尿道の周囲の腺から特異的に作られて分泌される糖タンパクの一種です。
前立腺にガンが出来ると、この分泌量が正常の2倍以上に増えると言われているのです。
『PSA検査をキッカケに体の細胞を採取して顕微鏡で調べる精密検査を受け、ガンと確定する人が増えているのです』(都内の泌尿器科医)
最近では、高精度のMRIと超音波検査立体生検を組み合わせた『フュージョン生検』と呼ばれる新たな画像診断検査法も開発されており、1センチ以下の小さなガンでも発見できるようになっているそうです。
『かつては前立腺の治療は前立腺の周りを含めごっそり取る『全切除』が常識とされ、開腹手術が選択されてきました。
しかし、前立腺がんは進行が遅く、5年生存率は80%以上。
治療しないほうが健康に暮らせるケースも有るので、待機療法を選択する人も言います。
また、排尿や勃起に関わる神経を残すなど患者さんの負担を軽くするため、腹腔鏡手術やロボット手術なども増えています』・・・・・・と黒崎部長は話しています。
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そんな中、改めて注目されているのが切らずに治せる『放射線治療』です。
すでに複数の臨床試験を合わせて分析した結果、限局性前立腺がんの生存率は手術と同等と分かってきました。
前立腺がんの放射線治療というと、マスコミは電子よりも思い『重粒子』や『陽子』をガンにぶつけて破壊する『粒子線治療』をもてはやしてきましたが、治療費が高い上、設備が大掛かりで受け入れる患者数に限りが有るのです。
一方、従来の放射線治療機(ライナック)では正常な細胞に影響を与える可能性がが有ることも、直腸のガスや膀胱の貯尿量などで前立腺は日々位置が変わるからなのです。
患者の皮膚にマーキングしてそこに向けて照射するライナックでは、微妙なズレが発生するおそれがあるのです。
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『そこで、より高い治療効果が得られる放射線治療としてトモセラピーへの関心が集まっているのです。
トモセラピーはIMRTにCTを組み合わせたような放射線治療機です。
治療のたびにCT画像で幹部を正確に知ることが出来る上、360度あらゆる方向からピンポイントで細い放射線を当てます。
結果、周辺の正常細胞を損なうことなく、幹部に強い照射が出来るのです。
都内では当院を含め、4施設しか世知されていませんが、費用も粒子線に比べればかなり安い』・・・・と前述の栗崎部長は解説しています。
前立腺がんの治療の他に、前立腺がんの餌になる男性ホルモンを抑えるホルモン療法や抗癌剤治療、塩化ラジウムによるアルファー線治療などが有り、選択肢が複数ある上、他のガンに比べて何が自分にベストなのかを考える時間的余裕が有るケースも多いそうです。
前立腺がんが見つかったら、慌てずじっくりと考えて選ぶことが大切だということです。
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