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iPS由来細胞、急性腎不全に効果が、マウスで確認
ヒトの人工多能性幹細胞iPS細胞)から作製した、腎臓のさまざまな細胞のもとになる腎前駆細胞をマウスに移植し、急性腎不全の症状を抑制させる事に京都大学iPS研究所とアステラス製薬などの研究グループが成功したと発表しました。
人の急性腎不全などにも効果が期待できるということですが、論文は21日、アメリカ科学誌の電子版に掲載されたそうです。
同研究では、ヒトiPS細胞から「OSR1』と『SIX2』というタンパク質を指標に腎臓の前駆細胞を作成する方法を確立し、其の細胞が腎臓の尿細管様の3次元の管構造を作る能力を持ち、腎臓の前駆細胞を、腎障害マウスの腎皮幕下に移植した結果、移植した細胞はマウスの腎臓の一部に成らなかったが、腎機能の検査値である血中尿素窒素地や血清クレアチニン値が、細胞を移植しなかったマウスと比べて顕著に低下していることが分かったということです。
また腎臓の組織切片を観察した所、尿細管の壊死や繊維化など、腎臓が傷害を受けた時に発生する現象もかなり小さく抑えられていたそうです。
急性腎不全は、血液の不足や薬の副作用などで、数時間~数日の間に急激に腎機能が低下する病気で、急性腎障害とも呼ばれています。
日本では、入院患者の約5%が発症すると云われ、死亡率が50%長と高い上に、腎臓がダメージを受け慢性腎臓病となるケースも多いということです。
京大iPS研究所の長船健二教授らのグループは、人のiPS細胞から通常胎児のみが持つ腎前駆細胞を安定的に作成する手法を確立したのです。
この成果について同研究グループは『腎移植を必要とするような人工透析を受けている慢性腎不全の方の場合、腎臓の細胞のほとんどが壊れているため、治療には腎臓そのものを作成して移植することが必要であり、今回の方法だけで治療は困難です。
しかし、急性腎障害を負った方の腎機能を回復し、腎障害の慢性化を妨げる可能性を示しており、腎疾患にも細胞移植を使った治療が適応できることとを示唆しました。』とコメントを出しています。
また、長船教授は、『人の腎前駆細胞から分泌された栄養因子が症状を緩和した』と分析し、『急性腎不全だけではなく日本に1300万人以上患者がいる慢性腎臓病の進行抑制にも効果が其他できる。臨床応用や製薬化を目指したい』と話しています。
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